元気インタビュー

お別れの場にもたくさんある
元気になるきっかけ。

中川 千春/中村 駿太

会館管理運営部/ディテクター部

信頼関係はなにげない会話から。

ご遺族さまに私たちの葬儀場を利用いただくのは2日間足らずです。ですから、私たちがサービスを提供させていただくのもとても短いんですね。その間に、お通夜から告別式、そして出棺と、駆け足で時間は過ぎていきます。そんななか、いかにご遺族さまと信頼関係を作り上げていくかが、私たちの仕事の難しいところであり、醍醐味でもあります。最初から立ち入った話をさしあげるわけにはいきませんから、まずは硬めに声をおかけするようにしています。失礼にあたらないように、話し方や内容をすこしずつ崩していって、距離を近づけていきます。ご遺族さまが普段趣味で活動していらっしゃることや、お子さんが興味をもっているキャラクターのように、あえて葬儀とは直接関係のないことを、あえて選んでお話するようにしています。もちろん積極的に話かけていくことが必ずしも良いというわけではありませんが、みなさんの緊張をほぐしたり、落ちついていただくきっかけになればと思っています。そう、お子さんがおいでるような場合は、ちょっと遊んであげるなんてこともありますよ。

葬祭業もサービス業。おもてなしで満足を。

人生最後のセレモニーといわれる“お葬式”。それがとりおこなわれている葬儀場って「元気」とは一番遠い存在だと思いませんか?大切な人を亡くした人たちが集まるこの場所では確かに「明るくなる」とか「元気になる」とかって感情はなかなか生まれにくいかもしれません。ですが、悲しみに暮れる人たちが次の一歩を踏み出すための大切な場でもあると思っています。パーっと明るくなっていただかなくてもいいんです。よっしゃ!とカラ元気を出さなくてもいい。ただ、どこかホッとした空気がご遺族さまを包んでくれればいいんです。お葬式という非日常のイベントをおこなう葬儀場も、そこで働く私たちの心の持ちようはサービス業のそれとまったく同じなんですよ。そこにはただ「お客さまに満足していただきたい」という、至ってシンプルな思いがあるんです。“ここにして良かったよ”と、帰り際に言っていただけることが私たちの喜びなんです。どのご家族ももちろん特別ですし、みなさんからかけていただいた言葉はわたしたちの糧であり、次に対するモチベーションになります。これからもご遺族さまといっしょに大切な人を送っていきます。

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インタビューを終えて

中村 彩香

金沢大学
人間社会学域 3年

日常生活では絶対に立ち入らない「葬儀場」という特別な場所。貴重なお話はとても面白かったです。

※取材時の情報です。